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【コラム】バシール政権の突然の崩壊、北朝鮮でも起きるだろうか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国人が関心を持つべき国を一つ紹介したい。それは、スーダンだ。北朝鮮は様々な面で東ドイツよりスーダンに近い。スーダンはオマル・アル=バシール大統領の統治の下に北朝鮮のように厳格な統制体制を維持した。国民のほとんどが貧しいのに権力者は贅沢な生活を享受していた。1年前まで誰もアル・バシール大統領の没落を予想しなかった。彼は大統領職を再任し、国連の制裁を耐え抜いた。

そのような彼が結局、没落した。すべての過程が突然展開した。政権崩壊の兆しは経済難から初めて現れた。2018年末、食料品の値段が引き上げられると国民が反発し始めた。不満の表出は多数の国でよくあるもので、不満が必ずしも政治的脅威につながるわけではない。ところが、2018年12月19日突然スーダンが爆発した。最初は北スーダンで、続いて全国各地で階層を問わず市民が道路に溢れ出た。アル・バシール政権はデモの参加者を殺して逮捕した。インターネットを防いで外部の世界との接触を遮断した。

強硬鎮圧にもデモが広がり、今年2月22日アル・バシール大統領は国家非常事態を宣言した。すべての地方管理を軍将校と情報局職員に交代した。数週間小康状態に入った。だが、デモ隊は4月6日軍司令部の前の道路を占領した。デモの参加者はほとんど若者で、アル・バシール政権支配層の子供が多数含まれていた。大統領警護隊はデモ隊に向かって発砲した。


その時点にスーダン軍が介入した。若いデモ参加者の中で相当数が軍幹部の子供だったが、彼らの父が乗り出した。スーダン正規軍はデモ隊を保護しながら大統領警護隊に反撃した。そして4月11日、スーダン軍部がアル・バシールを追放した。

北朝鮮でもこれと類似したことが起きることができるだろうか? 両国が全く同じではない。外国人にとっては北朝鮮旅行よりスーダン旅行がはるかに簡単だ。スーダン幹部は北朝鮮幹部より外部の世界とさらに頻繁に接触する。また、スーダン内での変化は外部の介入なしに推進されることができた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権の没落事態には周辺国が介入する可能性がある。ところが、スーダンで起きた変化は北朝鮮政権にいくつかのメッセージを投げかけている。

第一に、革命を触発したのは経済低迷だった。スーダン政府予算の6割を占める莫大な軍事費用がスーダンの経済難を招き、これはスーダンの国家経済を大きく悪化させた。北朝鮮の状況も非常に似ている。第二に、スーダンで革命を起こした階層は貧困層でない上流層だった。軍幹部の子供は貧困を直接経験していないにもかかわらず、スーダンの経済難がアル・バシールの責任だと信じて政権退陣を要求した。

第三に、スーダン軍隊は政権に反旗を翻して武力まで行使して独裁者に対抗した。政権が軍人を優待したにもかかわらず、そのような状況が起きた。北朝鮮軍は先軍政治が終わってから優遇されずにいる。脱北民は北朝鮮軍の士気が折れて怒りが高まっていると証言する。

第四に、反対勢力の指導者はどこから出現するか予測できない。スーダンのデモ隊指導者は行動を開始する前まで兆しを全く見せなかった。この中には42歳の高校教師、伝統的な王女の姿で軍司令部の前でデモを主導した22歳の女子大生もいた。

第五に、アル・バシールは中国と近い関係を結んでいたが、彼が苦境に立たされた時は中国からいかなる動きもなかった。彼に政治的な隠家を提供する意志も見せなかった。

金正恩政権がまもなく没落するといっているわけではない。最もかたく見える独裁政権でも予期せぬ時期に予想できない方式で突然の政治的変化が発生する可能性があるということを言いたいだけだ。どの国の歴史も秩序整然と展開することがなく、北朝鮮はもしかしたら最も予測不可能な流れを迎えるかもしれない。

ジョン・エバラード/元駐平壌英国大使



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