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【時視各角】女性アイドルの死=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ソルリさんに続いて歌手ク・ハラさん(28)が極端的な選択をした。よりにもよって親友だった2人だ。1カ月余前、日本活動中にソルリさんの悲報に接したク・ハラさんはインターネットライブ放送で涙を堪えきれず嗚咽した。ク・ハラさんもソルリさんのように数多くの悪質コメントに苦しめられた。元恋人のチェさんから性関係動画流出の脅迫を受けて法廷攻防を行ったことが決定的な契機だった。女性芸能人には致命的な動画の存在を自ら明らかにしてデート暴力に対抗したが、実際のインターネットリアルタイム検索語1位は「ク・ハラ動画」だった。被害者の苦痛には目もくれず、「現役アイドルの新作映像」を手に入れようと血眼になった人々のほうが多かったということだ。

たとえ流出はなかったとしても、ク・ハラさんは別名「リベンジポルノ(別れた恋人が復しゅう心からネット上に流す性関係動画)」の犠牲者だ。ところで「リベンジポルノ」という言葉そのものが間違いだという指摘が多い。「リベンジ(復しゅう)」という言葉から、被害女性に間違いがあるように映るとし、「ポルノ」という単語は性犯罪でない軽いわいせつ物として見なされることになる。恋人関係だろうが何だろうが、同意しようがしまいが、これをネット上に流したり脅迫したりする時は性犯罪になる「イメージ基盤の性暴力」「サイバー性搾取物」と変えて呼ぶのが的確だという指摘だ。

1審で執行猶予を受けて釈放されたチェさんはソウル江南(カンナム)に美容室を新たにオープンして盛業中だった。脅迫・強要・傷害・財物損壊は有罪だったが、性犯罪である不法撮影容疑には無罪判決が下された。動画撮影が「明示的同意は受けなかったが、被害者の意思に反したものとは見ることはできない」という判決だった。ある報道によれば「クさんから先に交際を提案するDM(ダイレクトメッセージ)を送り、周期的に性関係を持った関係であり、撮影音はしたもののクさんは制止しなかった」などが無罪判決の根拠だった。俗称「リベンジポルノ」に対する法規がないためでもあるが、いざ性犯罪が無罪になるや論争がヒートアップした。控訴審は進行中ではあるが、被害者だけが苦痛の中でこの世を去った悲劇的状況だ。


先日、裁判所は「レギンス盗撮」無罪判決で論争を巻き起こした。レギンスは普段着なので性的羞恥心を呼び起こさないとし無罪判決が下された。撮影した者の性的意図は明らかで、撮影された者の性的羞恥心も明らかなのに性的羞恥心と無関係だとは、裁判所の性認知に対する感受性はこれでいいのかという批判世論が激しく吹き荒れた。2年間常習的に未成年者を不法撮影したのに、教師志望生という理由で善処されたケースも出てきた。教師志望生であるなら、なおのこと厳しい判決を下すべきではないか。最近、青瓦台(チョンワデ、大統領府)掲示板の「加害者中心の性犯罪量刑基準を再整備してください」という投稿に一瞬にして22万人が同意したのもこのような事例のためだ。投稿者は性暴力被害に対して「(男女が普段)好感を持っているから減刑、暴行や脅迫はないから無罪、被害者が被害者らしくないから減刑」など、依然として加害者中心的で加害者善処を乱発する風土を批判した。

アイドルの死は、まるで自分がよく知っている者の死のようにショックが大きい。ク・ハラさんとソルリさん、2017年ジョンヒョンさん(SHINee)までさかのぼっていけば、男女問わずアイドルの精神健康に赤信号がついた残念な状況だ。若くして個人の人生を抵当に入れられたまま無限競争を内面化するアイドル産業、中でも性的対象として消費される女性芸能人、ここにアイドルを「中傷受け皿公共財」程度にしか感じていないアンチコメント文化、クリック商売に盲目となったイエロー・ジャーナリズムと無責任なポータルサイト。ソルリさんに続きク・ハラさんの死が改めて喚起している事柄だ。

ク・ハラさんは輝く容貌と才能で「天上のアイドル」と呼ばれた。彼女が所属したKARAは人気が高かったが、そのビジュアルに隠れて音楽性が過小評価されていたグループでもある。KARAは多数の名曲とともに2000年代後半に日本でガールズグループ韓流を導いた立役者だった。そしてその中心に、アイドルグループの「センター(メインメンバー)」というものは何たるかをあますことなく見せたク・ハラさんがいた。もう一度、彼女の冥福を祈りたい。

ヤン・ソンヒ/論説委員



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