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【コラム】李洛淵首相の嘘=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
昨年、現職検事が書いたベストセラー『検事内戦(原題)』はこのように始まる。「(韓国は)詐欺共和国だ」。同書によると1年に24万件、2分に1件ずつ行われる詐欺による被害額は、毎年3兆ウォン(約2677億円)を超えるという。物的・心的苦痛を引き起こす詐欺がそれほど横行している理由は単純だ。損する商売ではなく利益が出る商売だからだ。殺人や暴力など、ほとんどの犯罪は瞬間的な感情に勝てずに起こるが、この検事である著者は「詐欺だけは違う」と言う。感情より計算が上回っている。ソロバンをはじき、リスクよりも収益が高いと判断したときに詐欺を行うということだ。ノーベル経済学賞を受賞した米国の経済学者ゲーリー・ベッカー(1930~2014)もそう言った。「犯罪により得る収益が、それによって支払う費用より高いため」罪を犯すのだと。常識のある人々はいくら利益になる商売でも良心を売りながら他人を欺くのは容易ではないが、詐欺師は確かにDNAが人並外れているようだ。

過去の本について再び書いたのは「詐欺共和国」という言葉を最近のように大きく実感したことがなかったからだ。政府の高官でさえ公式の場ですぐに判明する嘘を競争するようにまくしたてるのだから。違うだろうか。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は正式な大統領記録官を差し置いて自分だけのための個別記録官の予算を本人主宰の閣議で議決しておきながら、マスコミが問題視すると「指示しても望んでもいないことだから激怒した」と述べた。1カ月も経たないうちに青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官のこの公式会見が偽りだと露呈したが、大統領は今直面している非難世論を避けようという目的は達成した。常識のある人は呆れていたが、盲目的な支持者は気にしないだろうから、利益になる商売をしたと満足しているのかもしれない。朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長もソウル市傘下の交通公社の雇用世襲と採用不正が監査院の監査で確認されると「採用不正は事実ではなかった」と大胆な嘘を言い、逆にマスコミを非難した。常識のある人はその厚かましさに言葉を失ったが、マスコミに矛先を変えて自らの過ちは隠し、チョ・グク法務部長官関連報道に不満を抱いた現政権支持者から拍手を受けたのだから利益のある商売だと考えているようだ。チョ・グク長官と彼の護衛武士を自任した多くの共に民主党議員、ユ・シミン作家などの日常的嘘には全てこのような薄っぺらい算法が作用しているのだ。

このすべてが、国民に対して餌を投げればがっつく犬やブタ扱いする悪い嘘だ。しかし、その中でも特に李洛淵(イ・ナギョン)首相の嘘は別途記録すべきほど質が悪いという指摘が出ている。先月27日、国会対政府質問で「女性2人だけ居る家で多くの男性が11時間の間、物をひっくり返し食事を出前を取って食べたりしたのは、どう見ても行き過ぎていた」という嘘だ。この発言の中で、事実と言えば「11時間」と「食事」という2つの単語しかない。対政府質問4日前の先月23日に行われたチョ・グク長官の自宅捜索の過程で共に民主党の閔丙ドゥ(ミン・ビョンドゥ)議員をはじめ、新・文(ムン)親衛部隊が嘘と無理な主張で検察を非難すると検察はすぐに「追加押収捜索令状発行などで執行時間が長くなりチョ・グク長官の家族の勧めで食事をした」と公式に釈明した。さらに、家にはチョ長官の妻と娘だけではなく、息子と男性弁護人達もいた。家宅捜索チームにも女性の検事と捜査官が含まれていた。


誰によく見られたかったのか、首相が飲み屋の噂話のように事実関係が異なる話を堂々と国会で述べたことも問題だが、最近最も敏感なジェンダー問題を利用して、現政権の支持層の中心である20~30代の女性を刺激し、扇動する狙いが目に見えて不快だ。「私に1行の文さえ与えれば誰でも犯罪者にできる」と言ったナチスの扇動家ゲッベルスの真似でもしたかったのか、この1文で首相は正当な司法権を行使した検察は悪魔化し、犯罪隠蔽の事実が続々と明らかになっている被告人は被害者にした。嘘が明るみに出た後は「報道が交錯しているため判断に慎重になっている」と述べた。ハンギョレやMBC(文化放送)などが揃って同じ報道をしたのに、李首相だけ1人で何の報道を見たのか分からない。百歩譲ってその言葉が事実であっても首相が国会で基本的な事実確認もせずに誤った報道を読み上げ、国家機関の名誉を毀損するのは常識的ではない。

一方で、5月の文大統領のインタビュー論争当時、記者に質問せずに聞けとか言って、自分の仕事をしている記者に説教したあの方らしいと考えたが、もう一方では、これが全てチョ・グクのせいのようで腹が立つ。嘘を言っても無傷で歓声まで浴びるから皆が真似をする。自分たち同士利益を上げる商売をしたと喜んでいるかもしれないが、そんな姿に国民は心が離れて久しい。昨日(3日)、ソウル光化門(クァンファムン)広場がそれを見せた。

アン・ヘリ/論説委員



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