連安保理傘下の対北制裁委員会がに公開した年次報告書で制裁違反物品(ぜいたく品)に指定された金正恩委員長の自動車。写真は2018年9月の平壌首脳会談当時、文在寅大統領と金正恩委員長が乗ったナンバープレートのないベンツ・リムジン。[中央フォト]
16日(現地時間)の米ニューヨークタイムズ(NYT)によると、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が昨年の2回の米朝首脳会談などで使用したメルセデスベンツ車が北朝鮮に搬入されるまでに経由した国だ。国連の対北朝鮮制裁決議に基づき「ぜいたく品」に分類され、北朝鮮への輸出が禁止された高級リムジンが、地球を半周して金委員長に渡ったということだ。
NYTはこの日、非営利団体の米先進国防研究センター(C4ADS)の分析報告書と独自の取材を通じて、このベンツが北朝鮮に搬入される数カ月間の過程を追跡した。
報道によると、2台のメルセデス・マイバッハS600は昨年6月、オランダのロッテルダムの港で2つのコンテナに別々に積まれた。コンテナは41日間の航海を経て7月31日に中国・大連港に到着し、8月26日まで保管された。
その後、大阪行きの貨物船に積まれて移動し、大阪を出た船は9月30日に釜山に到着した。翌日の10月1日にトーゴ国籍の貨物船DN5505号に積み替えられ、ロシアのナホトカに向かった。釜山を出港した後、該当コンテナを積んだ船舶の位置をリアルタイムで知らせる自動識別装置(AIS)は18日間消えた。AISの遮断は制裁を回避するために船舶がよく使用する手法だとNYTは説明した。
その後の車の行方は不明だが、当時、北朝鮮の高麗航空の貨物機3機がロシアのウラジオストクに入った点などからみて、車が航空便で北朝鮮に運ばれたと、C4ADSは推定した。10月7日に高麗航空所属の貨物機3機がウラジオストクに到着したが、これら貨物機は過去にも金委員長が海外訪問をする際、金委員長の専用車を運送したという。
1月31日には、ロッテルダムの港で積載されたものと同じ車種のベンツ車が平壌(ピョンヤン)労働党庁舎に移動する場面が確認されたと、NYTは伝えた。
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