先月26日、忠清南道唐津市唐津港内の野積場に圧縮されたまま積まれている不法輸出用ゴミ。リサイクル選別過程をまともに経ていないものとみられる。
輸出用廃棄物というが、あらゆるゴミが入り混じっていた。生理用ナプキン・便器座席・靴・ひも・ペットボトルなど生活ゴミから土砂・木材・コンクリート・ビニールなど産業ゴミまで目についた。本来の形体や品目を察しにくいゴミも散らばっていた。区域内の端のほうには圧縮された廃棄物の山が横に積まれてあったが、リサイクル選別過程をまともに経ていないもののようだ。各ごみの山の間をつなぐ錆ついた太い針金の間から衣類・カン・ホース・麻袋などが露出している。土などの異質物がいっぱいにくっついている。
現場を調査した唐津市廃棄物管理チーム関係者は「アパート、撤去現場などから出た廃棄物を収集した後、事実上港湾野積場に『投棄』したも同然だ」と話した。唐津市は昨年8月ごろ野積場運営社から「輸出が可能かどうか疑わしい」との苦情を受けて現場の確認に向かった。運営社は悪臭・害虫被害も訴えた。唐津市は検討後、「輸出不可能品目」だと結論を出した。「廃棄物の国家間移動法」上、廃合性高分子化合物や汚泥類(下水または浄水過程でできた沈殿物)など25種類を可能品目に決めているが、ここに該当しないと判断したのだ。
唐津市はこの業者に廃棄物の適法処理要求内容を盛り込んだ措置命令を知らせながら意見提出を要求した。だが、業者は数カ月間にわたり意見提示を渋っていたが、今年1月唐津市を訪問して立場を明らかにした。A社関係者は「海外輸出が可能な品目」としながら」「当初1万トンを合わせて(ベトナムに)輸出しようとしたが、残りの6500トンを搬入できず損害を受けた」と主張した。
唐津市の問い合わせに環境部は最近、「不法輸出廃棄物」として最終判断を下した。環境部資源循環政策課関係者は「(唐津港野積場に積まれた廃棄物は)環境部に輸出申告もしておらず実際の輸出も不可能なものと最終的に確認された」と話した。
政府が「輸出不可能」と判断したゴミが堂々と港湾に積まれている。韓流ブームが吹くベトナムにゴミを輸出して「ゴミ輸出国」汚名を被りかねない状況だ。環境部によれば、このような不法輸出ゴミは全国に9カ所、3万4000トン(2月現在)に達する。放置廃棄物83万9000トン、不法投棄廃棄物33万トンに比べて確認された規模は小さいが、国際問題に飛び火しかねない。
不法輸出廃棄物処理は容易ではない。地方自治体が廃棄物の処分権限を根拠に企業に行政命令を下すが、処分に従わないためだ。
昨年7月から仁川市延寿区松島洞(インチョンシ・ヨンスグ・ソンドドン)第9工区野積場に不法輸出廃棄物を積み上げたB社は仁川経済自由区域庁を相手に行政審判を提起するなど反発した。該当業者は「輸出用」としながら5000トンの廃棄物を物流会社を通じて搬入したが、ペットボトル・ひも・漁網・セメントの塊りなどのさまざまなゴミが混在していた。
現場では現行の廃プラスチック輸出「申告制」状況で不法輸出はいくらでも起きかねないと憂慮する。現在、全国226カ所に116万9700トンの放置・不法投棄廃棄物が積まれているが、処理過程でいくらでも輸出用に化ける可能性があるためだ。匿名を要請した地方自治体廃資源担当者は「国内のゴミ廃棄費用は普通1トン当たり15万ウォン(約1万4900円)ほどかかるが、秘密裏に輸出する場合には運送費を含めても半分水準なら処理することができる」と話した。
政府は今年9月までに相手国の同意を得て廃プラスチック輸出申告制を許可制に変える方向で輸出入制度を改善すると明らかにした。資源循環社会経済研究所のホン・スヨル所長は「現場検査員が輸出に適合した廃棄物なのか確認する全数検査体系が導入されるべき」と主張した。
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