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【噴水台】韓国人ハルク? ハルク韓国人

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
私より年上の先輩の中には英語が通じないため外国で恥をかいたというエピソードを1つくらいはもっている人がほとんどだ。英国オックスフォード大学の近くのパブで確かにビールを注文したはずなのにコーラを黒ビールだと言われて受け取った先輩もいた。そのような悲しくも笑いを誘う数々のエピソードの中で、最も圧巻だったのは某先輩のカナダ入国審査の話だった。何を言っているのかはよく聞き取れないが押してほしいという出入国スタンプは押してくれず、審査官はしきりに何かを尋ねてきたという。あまりにも時間だけが無駄に流れていくので、怒りが込み上げてきて「私、本当に腹が立っているんです(I’m angry)」と言いたかったのに、実際に口から飛び出してきたのは「アイム ハングリー!(I’m hungry/私、お腹が減ってるんです)」。ところで、ミスで口から飛び出してきたこの言葉を聞いて、審査官はこれ以上何も聞かずに通過させてくれたという。どれほど腹が空いていたらここまで腹が立っていたのだろうか、と審査官が以心伝心によって理解したのだろうか。

しばらく忘れていたこの話を再び思い出すきっかけになったのは、先月オックスフォード・オンライン辞典の新造語リストに入った「hangry」という単語のためだった。「hungry」と「angry」を組み合わせたこの単語は、言葉どおり腹が空いてイライラしている状態を表現する形容詞だ。地下鉄のような公共交通機関を利用する時、男性が隣の人に迷惑をかけるほど足を広げて座る行為を称する「チョクポル男」の英語式表現である「manspreading」に押されて韓国内のメディアの注目はあまり受けなかったが、誰からの共感も得る奇抜な表現ではないかと思う。腹が空けば誰でもちょっとしたことで反応してイライラしやすくなるということだ。

ところで、最近はこのように腹が空かなくても、つまり特別な理由がなくても、常時腹が立っていたり癇癪を起こしたりしている人が多い。ブルース・バナー博士(マーベル・コミック『ハルク』の漫画キャラクター)はガンマ線を大量に浴びた副作用でアドレナリンが過度に分泌されると服を破って緑色のハルクに変身するが、今、私たちの周りにはささいな刺激にも爆発してハルクに変わる人がどこにでもいる。よっぽどでなければ国をあげて憤怒調節障害を病んでいるという言葉までは出てこないだろう。


そのような渦中にマーベル・コミックが今年12月に公開するという新たなシリーズ『Totally Awesome Hulk』で、バナー博士に代わる2大ハルクとして韓国系米国人天才キャラクターのアマデウス・チョを選んだという。米国漫画のキャラクターであり、その上悪役でもないアベンジャーズ軍団の初めての韓国系スーパーヒーローということで、一部では韓国人の地位が高まったとまで話す人もいるが、私はどうしてもそうは思えない。すぐにカッとする韓国人の性格を私たち以外の人々も気がついているのではないだろうかということだ。

アン・ヘリ中央SUNDAY企画エディター



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