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【取材日記】南大門市場600年の歴史を売れ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「一番つらかった時ですか。名品ブランドメガネだといって買ったところコピー商品だったといって日本人観光客がいらした時です。ある中国人観光客は、ニューバランスのシューズだと思って買ったがニセモノだったと言って来られました」。

南大門市場(ナムデムンシジャン)の観光案内所で通訳を担当している人に「楽しかったり、大変だったりしたエピソードがあれば話してほしい」とお願いすると、すぐに返ってきた話だった。600周年を迎えた南大門市場の取材のために南大門市場のあちこちを回った中でのことだった。

実際、南大門市場がとりわけコピー商品の多い市場というわけではない。アジアの多くの地元市場では、コピー商品を販売しており、面白半分で、あるいは安い価格のためにニセモノを探す人々もいるはずだ。もしかしたらその観光客は、それを知らなかったりコミュニケーションがうまくいかなかったりしためにコピー商品を本物だと思って買ったのかも知れない。どうであれ、彼らは南大門市場に対して悪いイメージを持って帰ったことであろう。


取材しながら多くの外国人観光客に会った。彼らが南大門市場を訪れた理由は「ガイド本に紹介されていて」あるいは「南山(ナムサン)・明洞(ミョンドン)に行く途中に立ち寄った」が多かった。だが何かを買うために来た人は多くなかった。店主らは、外国人が財布を開かないと愚痴っていた。1日に始まった中国の国慶節連休のおかげで多くの中国人が韓国を訪れた。このおかげでデパートの売り上げが上がったという便りも聞こえる。だが南大門市場のような地元市場に外国人が集まったという話は多くない。

1990年代まではお客さんの人だかりで賑わっていた南大門市場が、2000年代以後はかつての活力を取り戻せずにいる。子供服を除けば市場の強みとして打ち出すほどの品目が多くないというのが南大門市場関係者たちの告白だ。外国人が最も多く訪れる地元市場の地位を東大門(トンデムン)市場に譲り渡したのも遠い昔のことだ。

だが記者の目に映った南大門市場は依然として魅力的だった。特に安くて質の良い韓国産製品で得意先の商売をする店、新鮮な食べ物を売る路地裏の隠れた名所は、開発によって大変な宝物になれると思った。商人が力を合わせて品質を管理して、お客さんをだます店を追放するキャンペーンを行うのはどうだろうか。店ごとに自分たちのストーリーを開発してそれを積極的に知らせれば、人々がさらに多く訪れないだろうか。

600年の歴史自体も立派なストーリーテリングの素材になりうる。トルコのイスタンブールの最大伝統市場であるグランドバザールに観光客が集まるのも、数百年継続してきた市場の歴史が魅力的であるためだろう。「まだオープンもしていないので、あっちに行ってください」といって記者を薄情にも追い出したある店主の姿がときどき目に浮かぶ。

パク・ヘミン文化スポーツセクション部門記者



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