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【社説】こんな検察・警察に税金を使わなければいけないのか=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
警察は兪炳彦(ユ・ビョンオン)清海鎮(チョンヘジン)海運会長一家の逮捕に延べ145万人を投入した。犯罪者検挙のための史上最大の作戦だった。しかし元セモグループ会長の兪炳彦は捕まったのではなく、遺体で発見された。それも40日前の6月12日、兪炳彦がしばらく起居して逃走した全羅南道順天松峙斎の別荘からわずか2.5キロ離れた梅畑で、付近の住民が遺体を見つけて申告した。順天警察署は兪炳彦と疑うほどの証拠があちこちに存在していたにもかかわらず、路上生活者の遺体だと判断し、検察はもちろん警察の上部にも報告しなかったという。

検察と警察の兪炳彦逮捕作戦過程を振り返ると、初動対処の問題でセウォル号事故の犠牲者の規模を膨らませた海洋警察の姿よりも情けない。まず、検察・警察の捜査協力が全くなかった。兪炳彦の長男ユ・テギュンが仁川空港から仏パリに向けて出国しようとした際、出国禁止措置が取られたことを知って逃走したのは、4月19日のことだった。しかし警察はユ・テギュンを追跡して所在を確保しようという試みもしなかった。

5月12日にユ・テギュンに対する逮捕令状が発行されたが、安城警察署は救援派の本山である宗教施設「錦繍院(クムスウォン)」の出入りを統制しなかった。もしこの時から錦繍院に進入したり、周辺を取り囲んで出入りを監視していれば、兪炳彦も初期に検挙することができただろう。しかし、検察が捜査をするという理由で警察は手放しにしていた。検察は5月24日、兪炳彦が潜伏した順天の別荘の捜索に踏み切ったが、検挙できなかった。もし警察に知らせ、順天の別荘周辺を統制していれば、結果は違っていたかもしれない。兪炳彦の遺体が発見された後、警察が見せた情けない姿は、国民の立場で税金を出すのも惜しいほどだ。


遺体がひどく腐敗していたが、遺体の周辺では兪炳彦のセモグループで生産される代表商品スクアレンの瓶が発見された。また、かばんの内側には兪炳彦の著書の題名「夢のような愛」という字が書かれていた。死亡した兪炳彦が着ていたジャンパーは数百万ウォンもするイタリアのブランド品だった。十分に兪炳彦である可能性を疑うほどの状況だったが、順天警察署は報告さえもしなかった。当時、政府は兪炳彦の密航に備えるといって海軍艦艇まで動員した。結局、警察のこうした捜査のため、国家的に莫大なエネルギーを浪費した。

警察庁は22日、ウ・ヒョンホ順天警察署長を「職位解除」した。しかし署長1人を問責して済む問題ではない。李晟漢(イ・ソンハン)警察庁長官が責任を取らなければならない。単純変死事件という警察の判断を疑わず、そのまま指揮した検察も責任は免れない。

セウォル号事故後、政府に対する国民の不信感が強まっていた状況で、兪炳彦の遺体発見後、各種疑惑が広がっている。インターネットには、医療民営化立法予告に対する国民の不満を別のところに向けようとして兪炳彦の遺体発見を公開したという陰謀説も出ている。こうした疑惑を膨らませた責任は、最初からばたばたして共助できず、結果的に兪炳彦一家を逮捕できなかった検察と警察にある。検察・警察首脳部は、今でも職をかけて動かなければいけない。自殺か他殺か、兪炳彦の死亡原因を徹底的に明らかにし、2人の息子のユ・テギュン、ユ・ヒョクキを検挙するほか、不当に築かれた一家の財産を没収することに全力を注がなければならない。



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