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【時視各角】白馬に乗った超人を待つべきか=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
最近、最も印象的だった言葉はこれだ。「No, no, no, he can stay there」。「いや、いや、そこにいてもよい」ほどに訳せるだろう。オバマ米大統領は25日、サンフランシスコのチャイナタウンで移民法改正案の議会通過を促す間、騒ぎが起きると、このように話した。

演説の最後に聴衆の1人(韓国系のホンさんと確認)が、「オバマ氏」と叫んだ。そして不法移民者の追放を中止するべきだという要旨の主張をし始めた。演説を続けようとしていたオバマ大統領がホンさんの方に振り返りながら、「私たちが懸念していることでもある。私に最後まで話させてほしい」と要請したが、ホンさんはそのまま続けた。騒ぎは続き、ついに一人の叫びが数人の叫び声に変わった。「追放中断、追放中断」。

言葉が途切れたのはオバマ大統領だった。なんと9回もだ。テレビ中継の画面には秘密警護員がホンさんに向かうような、聴衆が押されるような姿も見えた。しかし要員はついに画面に登場しなかった。オバマ大統領が引き止めたからだ。「かまわない」「退場させる必要はない」と話し、3度目の最後には「No,no…」と言った。


その瞬間だった。拍手と歓呼が起きたのは。叫び声に同調していた人も、動揺していた人も同じだった。ホンさんもそうだった。50秒ぶりの反戦だった。オバマ大統領はすぐに「若者たちの情熱を尊重する」としながらも「遅くて大変でも議会で法の通過という民主的な手続きを踏まなければならない」という趣旨で説得した。また拍手が起きたのはいうまでもない。

「うらやましい」。この映像を見るよう勧めた人が話した言葉だ。その一言だけだったが、十分に心情は理解できた。

実際、冷静に見ると、オバマ大統領には他に方法がなかっただろう。演説中に妨害すれば、その人を現場で説き伏せることができず追い出す? 民主主義陣営の代表的な指導者としては汚点になるところだった。その場で処理しなければならなかった。たとえ引きずり出したいと強く思っていたとしても、そうしてはならなかった。代議制だからだ。「英国人は5年ごとに自分が代表を直接選出するので自らを自由だと考える。しかし彼らは5年のうちわずか一日だけが自由であるにすぎない」と冷笑した18世紀のフランス知識人の後えいも結局、「わずか一日だけが自由な道」を選んだ。自分たちが選択した指導者が他の人に比べるとまだ自分たちのための従僕になるだろうという信頼からだ。その間、民主主義陣営が拡張されてきたというのは、指導者が概してその信頼を破らないように行動してきたからだろう。先日のオバマ大統領のようにだ。そのおかげで米国の政治は崩れていると落胆してきた人たちも少しは安心しただろう。



【時視各角】白馬に乗った超人を待つべきか=韓国(2)

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