趙顕ミン（チョ・ヒョンミン）前大韓航空専務のいわゆる「水かけパワハラ」から始まった韓進（ハンジン）グループ総帥一家をめぐる議論が密輸関税逃れ疑惑まで広がる中で、検察も総帥一家を狙っている。検察が趙亮鎬（チョ・ヤンホ）韓進グループ会長の５００億ウォン台の租税逃れ容疑に対し捜査に着手した。

ソウル南部地検は９日、ソウル地方国税庁から先月３０日にこれと関連した告発状を受け趙会長の租税逃れ容疑を捜査中だと明らかにした。検察は趙会長が父親の趙重勲（チョ・ジュンフン）元韓進グループ会長から海外資産の相続を受け５００億ウォンを超える相続税を払っていなかったとみている。趙元会長はスイスとフランスなど欧州各国に不動産と預金を保有しており、死去後に趙会長らに財産として譲る過程で相続申告をしなかったという。

これに対し大韓航空は「当時相続税脱落分があるという事実を認知できず２０１６年の発見後に国税庁に申告した。今月の納付期限に合わせて税金を払う予定」と明らかにした。


これとは別に関税庁は先月ソウル・平倉洞（ピョンチャンドン）の趙会長の自宅とソウル・空港洞（コンハンドン）の大韓航空本社を含め数回の家宅捜索を行い、総帥一家が海外から韓国国内に個人物品を密輸したという疑惑と関連して調査を進めている。

一方、大韓航空はこの日、趙会長の妻である李明姫（イ・ミョンヒ）一宇（イルウ）財団理事長と関連してあふれている各種パワハラ疑惑などに対し、Ａ４用紙５枚分の釈明資料を出した。大韓航空側は李理事長の過去の暴言議論について、「一部暴行内容に対してはその事実を認め反省し被害者をはじめとするすべての方に謝罪する」と明らかにしながらも、合計１８種類のパワハラ疑惑に対しては事実でないという見解で反論した。大韓航空は釈明資料を通じ、李理事長がグランドハイアット仁川（インチョン）と関連した職責がないのにホテル業務に関与したという疑惑に対し、「趙亮鎬会長の指示によりコンサルタント資格でホテルの庭園と関連した事項を点検したことがある」と説明した。ホテルの庭園で「おばあさん」と呼んだ従業員を解雇したという疑惑に対しては、「状況があったのは事実だが解雇は事実でない」と明らかにした。