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浦項に韓国初の地熱発電所…年末には1000世帯に電力供給

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

イ・ガンドク浦項市長(右から2番目)が14日、興海邑の地熱発電所現場を見ている。(写真=浦項市)

今から4年前、慶尚北道浦項市(キョンサンブクド・ポハンシ)の興海邑南松里(フンへウプ・ナムソンリ)端山近くに鉄塔1本が建てられた。一見、送電塔のように見られるが、この鉄塔はボーリング(試錐)塔だ。2012年9月から少しずつ土地を掘り下げていった。ボーリング塔が掘り下げた土地の深さはなんと4000メートル。それも穴が2つだ。石油一滴も出ない国で何のボーリングをするというのだろうか。

浦項市はこちらにメガワット(MW)級の地熱発電所を建てている。火山地帯でないところでMW級地熱発電所を作るのは国内ではもちろん、アジアでも初めてだ。地熱発電所は数キロメートル深さの穴1カ所に水を入れ、土地の中で暖められた水を他の穴でくみ上げる作業を繰り返す。お湯から吹き出る蒸気でタービンを回して電力を生産する。地熱発電は温室ガスがほとんど排出されず、1年中休まずに電力を生産することができる。季節や天気にも影響を受けない。大規模の森林破壊が伴われる太陽光・風力発電所とは異なり、地上で占める空間も小さい。

今まで非火山地帯で地熱発電ができなかった理由は、温度が充分ではなかったためだ。だが、関連技術が発展することで火山地帯ではなくても地熱発電が可能になった。それと同時に、韓半島(朝鮮半島)で最も地下温度の高い浦項市興海邑南松里一帯が地熱発電の最適地として選ばれた。韓国地質資源研究院の調査結果、この地域の5キロメートル地下の温度は最大180度ということが分かった。


21日、浦項市と浦項地熱発電所の主管機関である㈱NEXGEOによると、最終段階に入った地熱発電所の建設事業は今年上半期に終わる見通しだ。今は水を注入する注入井(4348メートル)と水を採取する生産井(4362メートル)の設置が終わった。現在、タービンを稼動する発展施設を作っている。施設が全部備えられる下半期には1~2カ月間の試運転を行う。年末ごろ、1.2MW規模の電力を生産して1000世帯余りが使える電力を試験生産する計画だ。

来年には2段階事業として800億ウォン(約79億5000万円)を投じて5MW規模の発電設備をさらに作る。事業の規模が大きいだけに、産業通商資源部と韓国水力原子力発電、関連公共・民間企業などがコンソーシアムを構成する計画だ。浦項市未来戦略産業課の関係者は「設備容量を1.2MWに5MWを拡充して6.2MW級電力を生産することになれば、計5000~6000世帯が地熱発電を通じて作られた電力を使うことができる」と話した。これは浦項市興海邑全体1万4000世帯の約40%に当たる。興海邑の住民チェ・ボムギュンさんは「この地域に地熱発電所ができるという事実が意外だ」とし、「実際に稼動をしてみないと分からないだろうが、環境破壊が少なくて放射能の危険もない再生可能エネルギーと聞いて良いと思った」と話した。

浦項市が第一歩を踏み出した地熱発電事業が他の地域につながるかも注目される。ソウル大学エネルギー資源工学学科のミン・ギボク教授は、韓国地熱エネルギー学会に寄稿し、「火山地帯でない地域は今まで地熱エネルギー開発の不毛地として知らされてきたが、これを技術的に乗り越えられる代案が開発されている」として「地熱エネルギーは二酸化炭素排出量が少なく、韓国内で開発することができるというメリットがあり魅力的」と説明した。



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