◇「足の踏み場なく」…2.5トンのごみが出てきたゴミ屋敷
2日、慶尚南道咸安郡代山面(キョンサンナムド・ハムアングン・テサンミョン)のある住宅。咸安地域自活センターEM環境事業団チーム長のクォン・ウォンジョンさん(50)は住宅の扉を開けるなり顔をしかめた。マスクを突き抜けて入ってきた悪臭のためだった。クォンさんは過去に孤独死の現場も整理したこの道10年の「清掃専門家」だ。だが、このようなクォンさんですら、これまで1年以上家の中に放置されたごみの山から漂う悪臭に首を横に振った。クォンさんは「腐った食物やかび、長い間洗濯していない服に染み付いた体臭まで。臭いが完全に鼻を刺した」とした。
60代後半の一人暮らしの高齢者パクさんが住む約50平方メートル(15坪)面積のみすぼらしい住宅の中は足の踏み場がなかった。食べ残しの缶詰やホコリがベッタリとついたゴマ油・焼酎の瓶、ボロ布のような服、段ボール箱がリビングや部屋の中に乱雑に散らばっていた。オンドルの床は腐ってくずれて下のセメント部分がむき出しになっていた。台所はこれよりもさらにひどかった。水が流れるシンク台の下、木材質の食器棚は腐って穴が開いていた。鍋にはかびで覆われた正体不明の食べ物も含まれていた。
庭は「ごみ回収場」を彷彿とさせた。カップラーメンの容器や肥料袋、廃ビニール・廃木材、冷蔵庫まで積まれていた。パクさんの家から出たごみの量だけで2.5トンに達した。クォンさんは「昨年3月にも清掃したが、1年間で再びゴミ屋敷になった」とし「高齢でからだも弱っているので、病気になるのではないか心配になって急いで掃除をした」と伝えた。
◇「人を死に追いやる」ごみ…「クリーンバス」が解決
慶尚南道はパクさんの家に溜まっていたごみを「訪問おうち整理サービス」クリーンバスで解決したと9日、明らかにした。クォンさんら清掃専門家10人が乗ったクリーンバスが訪問、3日間(2~4日)パクさんの家で清掃・防疫・廃棄物処理作業を行った。オンドルの床と壁紙を張り替えるなど簡単な家の修繕も行うことにした。
道と市・郡、慶南広域自活センター、市・郡清掃自活事業団が協業したクリーンバスは今年4月から推進中の「住居環境改善」事業だ。ためこみ症や安全脆弱、火災危険など住居環境が脆弱な世帯が対象だ。
クリーンバスは今まで咸安・昌寧(チャンニョン)10世帯を訪れて清掃を行った。ここで終わらない。ためこみ症が疑われる場合、精神健康福祉センター相談などさまざまなケアサービスとも連携する。
クリーンバスは昨年4月に発生したある火災死亡事故を契機に誕生した。慶尚南道山清郡(サンチョングン)ある住宅で火事が起こり、知的障害の母娘のうち40代の娘が亡くなった事故だ。母娘には「ためこみ症」があったが、家にたまっていたごみの山が被害を大きくしたと指摘された。
◇慶尚南道「その場限りの清掃ではない相談・診療とも連携」
このように「使用するかどうかとは関係なく物を捨てることができなくて保存してしまう」というためこみ症は身体・精神的に脆弱な人々にとって致命的な事故の原因となる恐れがある。クリーンバスが清掃をしたパクさんも同じだった。彼は2月、家にたまったゴミの山につまずいて足と股関節を骨折する大けがをした。体の動きが不自由なパクさんを見かねた近所の人が地方自治体に知らせて病院に入院できることになった。
慶尚南道福祉女性局長のシン・ジョンウ氏は「ためこみ症の疑いがある世帯はその場限りの清掃ではなく、地域社会の持続的なサポートが必要だ」とし「慶南型統合ケアと連携して相談や診療、安否確認などさまざまな地域社会ケアサービスを統合的に支援して現在住んでいる場所で元気に長生きできるように手助けしていく」と話した。
2日、慶尚南道咸安郡代山面(キョンサンナムド・ハムアングン・テサンミョン)のある住宅。咸安地域自活センターEM環境事業団チーム長のクォン・ウォンジョンさん(50)は住宅の扉を開けるなり顔をしかめた。マスクを突き抜けて入ってきた悪臭のためだった。クォンさんは過去に孤独死の現場も整理したこの道10年の「清掃専門家」だ。だが、このようなクォンさんですら、これまで1年以上家の中に放置されたごみの山から漂う悪臭に首を横に振った。クォンさんは「腐った食物やかび、長い間洗濯していない服に染み付いた体臭まで。臭いが完全に鼻を刺した」とした。
60代後半の一人暮らしの高齢者パクさんが住む約50平方メートル(15坪)面積のみすぼらしい住宅の中は足の踏み場がなかった。食べ残しの缶詰やホコリがベッタリとついたゴマ油・焼酎の瓶、ボロ布のような服、段ボール箱がリビングや部屋の中に乱雑に散らばっていた。オンドルの床は腐ってくずれて下のセメント部分がむき出しになっていた。台所はこれよりもさらにひどかった。水が流れるシンク台の下、木材質の食器棚は腐って穴が開いていた。鍋にはかびで覆われた正体不明の食べ物も含まれていた。
庭は「ごみ回収場」を彷彿とさせた。カップラーメンの容器や肥料袋、廃ビニール・廃木材、冷蔵庫まで積まれていた。パクさんの家から出たごみの量だけで2.5トンに達した。クォンさんは「昨年3月にも清掃したが、1年間で再びゴミ屋敷になった」とし「高齢でからだも弱っているので、病気になるのではないか心配になって急いで掃除をした」と伝えた。
◇「人を死に追いやる」ごみ…「クリーンバス」が解決
慶尚南道はパクさんの家に溜まっていたごみを「訪問おうち整理サービス」クリーンバスで解決したと9日、明らかにした。クォンさんら清掃専門家10人が乗ったクリーンバスが訪問、3日間(2~4日)パクさんの家で清掃・防疫・廃棄物処理作業を行った。オンドルの床と壁紙を張り替えるなど簡単な家の修繕も行うことにした。
道と市・郡、慶南広域自活センター、市・郡清掃自活事業団が協業したクリーンバスは今年4月から推進中の「住居環境改善」事業だ。ためこみ症や安全脆弱、火災危険など住居環境が脆弱な世帯が対象だ。
クリーンバスは今まで咸安・昌寧(チャンニョン)10世帯を訪れて清掃を行った。ここで終わらない。ためこみ症が疑われる場合、精神健康福祉センター相談などさまざまなケアサービスとも連携する。
クリーンバスは昨年4月に発生したある火災死亡事故を契機に誕生した。慶尚南道山清郡(サンチョングン)ある住宅で火事が起こり、知的障害の母娘のうち40代の娘が亡くなった事故だ。母娘には「ためこみ症」があったが、家にたまっていたごみの山が被害を大きくしたと指摘された。
◇慶尚南道「その場限りの清掃ではない相談・診療とも連携」
このように「使用するかどうかとは関係なく物を捨てることができなくて保存してしまう」というためこみ症は身体・精神的に脆弱な人々にとって致命的な事故の原因となる恐れがある。クリーンバスが清掃をしたパクさんも同じだった。彼は2月、家にたまったゴミの山につまずいて足と股関節を骨折する大けがをした。体の動きが不自由なパクさんを見かねた近所の人が地方自治体に知らせて病院に入院できることになった。
慶尚南道福祉女性局長のシン・ジョンウ氏は「ためこみ症の疑いがある世帯はその場限りの清掃ではなく、地域社会の持続的なサポートが必要だ」とし「慶南型統合ケアと連携して相談や診療、安否確認などさまざまな地域社会ケアサービスを統合的に支援して現在住んでいる場所で元気に長生きできるように手助けしていく」と話した。
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