ウクライナがロシアとの戦争で兵力・武器不足を克服するために努力している。ウクライナ議会は８日（現地時間）、収監者軍服務法案を通過させた。欧州連合（ＥＵ）はロシアの凍結資産で生じた約３０億ユーロ（約５０００億円）の収益で武器を購買してウクライナを支援することにした。

ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）、フィナンシャルタイムズ（ＮＹＴ）などによると、ウクライナ議会はこの日、仮釈放した収監者の軍服務を認める法案を採択した。この法案は発効前にゼレンスキー大統領の署名を受ける必要がある。ただ、法案の敏感性を考慮するとゼレンスキー大統領がすぐに署名をするかは未知数だと、ＮＹＴは伝えた。

ウクライナ議会は社会的問題を最小化するため重大な犯罪を犯した囚人は除外すると強調した。刑期が残り３年未満でなければならず、性的暴行・連続殺人・腐敗・麻薬密売・国家安保犯罪などで有罪判決を受けた収監者は除外した。このため約２万人の収監者のうち数千人の徴兵が実現するとみられる。こうした兵力は特殊部隊に統合され、戦争が終わるまで動員を解除しない方針だ。兵役を履行しなかったり脱営しようとする場合５－１０年の懲役となる。


ゼレンスキー大統領が所属する政党「国民の僕」の代表オレーナ・シューリャク議員は「この法案が社会で暴力的な反応を起こす可能性があるということを知っている」とし「しかしより多くの資源を持つ敵との全面戦争は私たちの力をすべて統合してこそ耐えることができ、国防省・法務省・軍隊などと共に議論して作った」と説明した。

ＣＮＮはウクライナ大統領室の関係者を引用し、開戦以降に最前線で服務したウクライナ軍人は２０－３０万人と伝えた。ここで約３万１０００人が死亡したと、ウクライナ側は２月に明らかにした。しかし米国は死傷者が２０万人を超えると推定した。

ＦＴは「ウクライナが兵力を補充するために囚人を入隊させることにしたが、ロシアのような無分別な動員ではない点を見せるため、厳格な資格条件を入れた」と伝えた。ロシアは開戦初期から収監者を積極的に募集して最前線に送った。ワシントンポスト（ＷＰ）によると、昨年１０月基準でその兵力は最大１０万人と推算される。その一部は生存してロシアに戻った後、また殺害・放火などの犯行をして社会問題に浮上した。

ウクライナの武器不足問題解決のためのＥＵ側の支援策も用意された。ＥＵはこの日、域内に凍結したロシアの資産から得た年３０億ユーロの収益金を使ってウクライナのための武器を購入することで合意した。今回の暫定合意は、ＥＵ執行委員会が３月２０日にロシア凍結資産運用収益金をウクライナ支援金として活用しようと提案してから１カ月半後のことだ。

この日の大使級会議で妥結した暫定合意案は細部検討を経て、１４日のＥＵ財務相会議で公式確定する予定だ。ＥＵは７月から執行できるとみている。ＥＵ内に凍結したロシア資産の価値は約２１１０億ユーロと推測される。資産から発生する収益の大部分は現在、ベルギーの証券集中保管機関（ＣＳＤ）ユーロクリアが保管している。