ソウル大学病院・セブランス病院・高麗（コリョ）大学病院の教授らが予告通り「週１回休診」を始めたが、懸念されていた「診療大乱」はなかった。ソウル大学病院の関係者は「正常に行われる外来セッション（午前・午後診療）が２６２個だが、９０個のセッションが休診し、休診率は３４％」と話した。江南（カンナム）セブランス側は「一括休診ではないため、混乱はない」とし、竜仁（ヨンイン）セブランス側は「教授１８６人のうち３人が休診し、休診率（１．６％）が極めて低い」と述べた。高麗大学安岩（アナム）・九老（クロ）病院の関係者はそれぞれ「休診した教授は１人もいない」と伝えた。　ソウル峨山（アサン）病院・ソウル聖母（ソンモ）病院は、３日から一部の教授が休診に入るが、この病院も実際の参加率は高くない。しかし、患者の不安は依然として変わっていない。昨年５歳の娘が心臓弁膜の手術を受けたキム・ヒョンスさん（４１）は「今日は幸いにも診療を受けたが、いつ予約がキャンセルされるか分からないので不安だ」とし「早急に事態が解決されることを願う」と話した。

この日、診療中断に出たソウル大学医学部の教授たちは「医師たちの自負心を踏みにじった」とし、政府を強く糾弾した。ソウル大学医学部・ソウル大学病院教授協議会非常対策委員会がソウル大学病院の子供病院第一製糖（ジェイルジェダン）ホールで開催した「大韓民国の医療のあり方」という緊急シンポジウムでだ。ソウル大学医学部教授協議会のパン・ジェスン非常対策委員長は「大韓民国の医療システムは全世界と比べても非常に優秀なシステムだったが、たった２カ月で回復が不可能なほど崩れかけている」とし「政府が医師集団をお金に目がくらんだ破廉恥な既得権集団と罵倒した」と主張した。韓国政府の医療改革推進をファシズムに喩える厳しい発言も出た。「２０２４年医療大乱の発生と背景」をテーマに最初の発表を担当した盆唐（プンダン）ソウル大学病院のチェ・ギヨン病理科教授は「医師たちが先頭に立ってわが国に広まっているポピュリズムとファシズムとの長い戦いを始めよう」と話した。

一方、この日、裁判所は「医大増員」の執行停止申請抗告審で「（裁判所が決定するまで）２０２５学年度医大募集定員を最終承認してはならない」と政府に求めた。ソウル高裁行政第７部は、医学部の教授・専攻医・医学部生と医学部への進学を希望する受験生など１８人が保健福祉部・教育部長官を相手取って起こした医大定員増員執行停止抗告審の審問で、政府側に「今月中旬以前までに決定するので、その前には最終承認が出ないようにしなければならない」と明らかにした。当初、各大学がこの日までに医大定員増員分を反映した２０２５学年度募集定員を韓国大学教育協議会（大教協）に提出すれば、大教協が審査を経て５月末までに大学入試選考施行計画を確定するのがロードマップだった。


これに先立って、１審を引き受けたソウル行政裁判所行政第４部は先月３日「医大生・医大教授・専攻医・受験生は直接的な利害当事者ではない」という理由で執行停止申請を却下した。また、裁判所は政府側が増員規模として掲げた２０００人に対しても「人的・物的に施設調査をきちんとして増員分を配分したのか、今後支援をどのようにするのか、予算があるのかなど現場実態調査資料と会議録などを提出してほしい」とし、「１０日までに関連資料を提出すれば、翌週に決める」と明らかにした。