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「ハマスがプーチンに贈ったプレゼント」イスラエル戦争にロシアが笑う(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

プーチン露大統領

7日に始まったイスラエルとパレスチナ武装勢力ハマスの武力衝突が、20カ月間にわたりウクライナ戦争をしているロシアにとって好材料になっているという分析が出ている。米政治専門メディアのポリティコは、プーチン露大統領の誕生日(10月7日)に発生した今回の紛争を「ハマスがプーチンに贈ったプレゼント」と表現した。

イスラエルとハマスの紛争がロシアに有利な理由は3つに整理される。▼ウクライナ戦争から国内外の視線をそらす▼ウクライナに対する西側の支援を枯渇させる▼国際社会でプーチン大統領が望む新しい秩序構築の可能性が高まった--という点だ。

◆「ウクライナに向かう視線をそらした」


専門家は、今回の紛争でウクライナ戦争に集中していた西側の視線が中東に分散された、と口をそろえた。特にウクライナの最大の支援者である米国が伝統の友邦イスラエルのために忙しく動いている。

バイデン米大統領は18日、イスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と今後の展開について議論した。イランが支援するレバノンの武装勢力ヒズボラまでが介入する場合、米国の兵力を投入するシナリオも検討している。すでに米国は戦争拡大防止のために東地中海海域に原子力空母2隻(「ジェラルド・フォード」「ドワイト・アイゼンハワー」)を配備している。

米安保専門シンクタンク「スティムソンセンター」は「米国がこの戦争にさらに直接的に介入すれば、バイデン政権がウクライナ戦争でロシアに集中するため中東内の役割を減らそうとしていた立場を変える可能性がある」という見方を示した。

また、来年3月の大統領選挙を控えたプーチン大統領はウクライナ戦争が長期化しながら反対世論が強まることを警戒したが、今回の紛争で国内の関心もそらせることになったと、ウォールストリートジャーナル(WSJ)は伝えた。実際、7日のハマスのイスラエル南部地域奇襲攻撃以降、ロシアメディアはイスラエルのガザ地区空襲、西側での親パレスチナデモなど関連報道に注力している。

◆西側の関心と支援が枯渇か

これを受け、ウクライナに対する西側の支援も減る可能性が高まった。米国は2、3カ所の戦線も問題ないと強調しているが、イスラエルとハマスの紛争が長期戦に向かう場合、ウクライナ支援の余力は減るしかないという分析が多い。ウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報総局長は「イスラエル-ハマスの数週間の紛争なら心配はないが、状況が長引けば我々のほかにイスラエルも武器と弾薬が必要になるはずで、問題が生じるだろう」と話した。

ロシア国内も現状況を前向きに見ている。ロシア外交官のコンスタンチン・カブリロフ氏はイズベスチヤのインタビューで「今回の事態で西側がウクライナを放棄するわけではないが、軍事支援の規模は減るはずで、戦況がロシアに急激に有利に傾く可能性がある」と主張した。

中東戦争に拡大すればロシアに対する西側の制裁も無意味になるという見方も出ている。ロシアが西側から石油・ガス輸出制限を受けて以降、中東は代替供給地の役割をしてきたが、中東の複数の国が今回の紛争に巻き込まれてエネルギー危機に広がる場合、西側の制裁は無力化すると、WSJは指摘した。

また、最近、反ロシア単一隊列戦線に亀裂が生じた欧州では、今回の紛争で社会的な結束がさらに弱まる可能性があると、ブルームバーグ通信が診断した。ドイツ・フランス・英国などで反ユダヤ主義犯罪や親パレスチナデモが起きながら社会が混乱し、欧州連合(EU)27カ国の首脳も今回の紛争に対して一つの声を出せずにいるからだ。

ウクライナ戦争で中立の立場だったインド・ブラジル・南アフリカなどもロシア側に傾く可能性が高まった。フィナンシャルタイムズ(FT)によると、西側の一部の高官らは、これらの国々に国際法を違反するロシアと距離を置くべきだと説得してきたが、米国などがイスラエルのガザ地区攻撃を支持したことで状況が悪化したと警告した。


「ハマスがプーチンに贈ったプレゼント」イスラエル戦争にロシアが笑う(2)

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