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【コラム】韓国はミッドウェイ海戦逆転の秘密武器を持っているのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

1942年6月5日のミッドウェイ海鮮を扱った映画『ミッドウェイ』で、日本の空母が米国の急降下爆撃機の攻撃を受けて爆発している。[写真 ヌリピクチャーズ]

戦争は始まってしまえば作戦計画通りに進まない。偶然が何度も重なり、状況を把握するのが難しいからだ。このため『戦争論』のカール・フォン・クラウゼヴィッツはこうした状況を「戦場の霧(fog of war)」と表現した。

戦争史では不利な戦いを覆して勝戦した事例がかなり多い。その事例を分析してみると、「戦場の霧」の中でも味方を勝利に導いた要素はほとんどが人だった。最近公開された映画『ミッドウェイ』の舞台のミッドウェイ海戦がそうだ。ミッドウェイは太平洋の真ん中にある環礁だ。米国はミッドウェイ海戦で戦争の勝機をつかんだ。米国が日本にどのように勝利したのか、人に焦点を合わせて見てみよう。

◆部下を信じたニミッツvs信じなかった山本


米国海軍と日本海軍の司令官はチェスター・ニミッツ提督と山本五十六提督だった。

真珠湾空襲以降、米軍の士気は大きく落ちた。ニミッツは敗戦の責任を問わず、参謀は留任した。すると雰囲気が変わった。ニミッツは自ら選んだ指揮官を最後まで信じた。日本の攻撃目標をめぐりニミッツの参謀と海軍本部の意見が分かれた。彼はミッドウェイで把握した自身の参謀を支持した。アーネスト・キング海軍参謀総長はフランク・ジャック・フレッチャー提督が消極的だと評価した。しかしニミッツはフレッチャーをミッドウェイ海戦に送り出した。ニミッツはミッドウェイに向かう指揮官にこういう命令をした。「耐えられる危険だけに耐えるべきだ。味方の戦力(空母)を敵に与える被害よりも大きな被害にあう状況になってはいけない」。

山本は真珠湾を奇襲し、米国の太平洋艦隊を無力化して日本の英雄になった。米ハーバード大で留学経験がある山本は「私は米国を相手に6カ月間は持ちこたえることができる。その後は自信がない」と語った。山本が話したように半年後にミッドウェイ海戦は起きた。山本は野戦指揮官だった南雲忠一提督を信頼していなかった。空母部隊を指揮する南雲は空母と航空機についてよく知らなかったからだ。南雲は年功序列でその地位に就いたケースだった。

山本は作戦の細部事項を担当した。山本はミッドウェイ海戦に向かう南雲にこのように命令した。「ミッドウェイ付近に米国の艦隊があるかもしれない。米国艦隊を攻撃できるよう航空戦力の半分を残せ」。南雲は山本の命令に従った。このため戦況が時々刻々変わっても臨機応変に対応できなかった。ニミッツは戦闘の前に勝つ環境を整えたが、山本はそうではなかった。

◆戦意に燃えた米国vs「勝利病」の日本

米国が規模で上回っていたため日本が敗れたという見方が多い。しかしミッドウェイ海戦当時、米国はいくつかの面で日本に後れを取っていた。日本は西部太平洋と東南アジアを席巻した。日本の戦闘機は性能が良く、操縦士の実力も優れていた。それでも米国は必死になって日本に食らいついた。米国の攻撃隊は戦闘機の護衛を受けることができなかった。特に魚雷で艦艇を攻撃する雷撃機は速度が遅くて被害が大きかった。米空母3隻から出撃した雷撃機41機のうち4機だけが空母に戻った。死地に飛び込む任務だったが、米国雷撃機の操縦士は毅然としていた。墜落する米国のB-26爆撃機1機が突進したが、日本の空母がかろうじて避けた。日本は米国の戦意に驚いた。

これに対し日本は「勝利病」にかかってミッドウェイ海戦開始前から自惚れていた。米国が恐れて日本との戦いを避けるのではと心配するほどだった。事前の図上演習で日本側のミッドウェイ作戦計画の弱点が数多く表れた。しかし日本は鉄壁防御力のため全く問題にはならないと言ってこれを無視した。

ミッドウェイの米軍基地では防御を補強しようという動きが活発だった。それでも日本はミッドウェイを攻撃しようと、自分たちの作戦が米国に気づかれることも考えなかった。戦争が終わった後、日本海軍参謀はこのように評価した。「もし我々がミッドウェイで災難をうまく避けていたとしても、おそらく42年のうちに太平洋のどこかで同じ運命を迎えていただろう」。

ミッドウェイ海戦の勝負を決めたのは結局、人だった。韓国は今、さまざまな挑戦を受けている。北朝鮮は核兵器を放棄せず、周辺列強は軍事力を増強している。韓国はホルムズ海峡への派兵を決めたが、米国とイランの間を綱渡りしている。ニミッツのような指揮官と闘志のある将兵がいつよりも必要な時だ。

イ・チョルジェ/中央日報軍事安保研究所長



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