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【社説】半分の成功にとどまった文大統領の欧州歴訪

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が欧州5カ国の歴訪を終えて昨日、帰国した。今回の歴訪は文大統領が伝えた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の招請にローマ法王フランシスコが肯定的な反応を見せたという点では成功だ。法王はその間、米国-キューバ間国交正常化およびコロンビア和平合意の妥結の際、大きな活躍をして平和の使徒としてあがめられる人物だ。そのような人物の訪朝は非核化はもちろん、北朝鮮の正常国家化にも確かに踏み石になるだろう。

だが、文大統領は欧州で北朝鮮への制裁緩和を訴えて苦しみを味わった。北朝鮮はすでに取り返しのつかないほど非核化をしたため、制裁を遅らせる必要があるというのが文大統領の論理だった。しかし、反応は冷やかだった。フランス・英国の首脳いずれも説得されるどころか、最近は米国も使わない「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を呼びかけた。結局、「北朝鮮にCVIDを要求する」という表現はアジア欧州会合(ASEM)の共同声明に盛り込まれた。欧州をテコにして制裁緩和を導き出すという構想が失敗したわけだ。

このような敗着は政府の誤った状況認識のせいだ。先導的制裁緩和で非核化に活気を吹き込むという政策を欧州が支持するだろうと信じていたとすれば大きな勘違いだ。制裁を遅らせることで北朝鮮の非核化への意志に力を与える必要があるというのが政府の主張だが、欧米の認識は違う。さらに、制裁を固く締めつけてこそ非核化が成功すると彼らは信じている。


中間選挙を控えた米国は非核化を急がないという立場に転じたという。早ければ11月中に開かれるものと予想されていた第2回米朝首脳会談も来年に先送りされたようだ。今年、終戦宣言を終わらせた後、来年から南北交流を加速化するという政府の計画も水の泡となる雰囲気だ。このような失敗は希望と現実を見極めることができないためだ。国際社会は物ともせず韓国が引っ張っていけば北核問題はうまく解決するだろうという考えは勘違いで傲慢だ。



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