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もう一つの貿易戦争「トランプラザ」…42カ月ぶりのウォン高ドル安

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
米国は経常収支の万年赤字国だ。米商務省によると昨年7-9月期に米国の経常赤字は1006億ドルだった。国内総生産(GDP)の2.1%に該当する。

経常赤字が増えるたびに米国が取り上げる国がある。対米黒字幅が大きい中国と日本・韓国・ドイツなどだ。米国はこれらの国が人為的に自国通貨の価値を落として貿易不均衡を引き起こすと主張する。

米財務省が毎年4月と10月に発表する「為替報告書」はこれらの国の首を絞める手段だ。為替操作国に指定されれば強力な経済圧力を受ける。対象国は慎重になるしかない。


トランプ米大統領が為替報告書をテコにグローバル為替市場に向けて火ぶたを切った。経常収支改善のため韓国と中国の市場介入に圧力を加え、両国の通貨価値を引き上げて米ドルを切り下げている。トランプ大統領が主導するもう一つの貿易戦争であり、プラザ合意に例えて「トランプラザ」(Trump+Plaza)」と呼ばれる。

衝撃波は韓国の外国為替市場に広がっている。4日のソウル外国為替市場で韓国ウォンは5.6ウォン値下がりした1ドル=1059.8ウォンで取引を終えたが、韓国ウォンはこの1カ月間に1.93%値上がりした。3日には1ドル=1054.2ウォンとなり、2014年10月以来のウォン高ドル安となった。こうした流れはしばらく続くとみられる。理由はいくつかある。

まず韓国通貨当局の手足が縛られた。サムスン先物のチョン・スンジ研究員は「今月の米国の為替報告書発表を控え、通貨当局が委縮している」と述べた。通貨政策の透明性と責任性に対する強力な履行意志などを約束した「為替合意」も足かせになっている。為替市場で微細調整(スムージングオペレーション)ができなくなった理由だ。昨年10月の為替報告書によると、2016年7月-2017年6月の韓国の市場介入規模は49億ドルと推定された。韓国GDPの0.3%水準だ。

メリッツ総合金融証券のイ・スンフン研究員は「為替協約が強行されれば微細調整の余地が減り、また急激にウォン高が進む可能性もある」と述べた。

中国人民元高も韓国ウォンにはよくない。人民元は今年に入って対ドルで3.37%値上がりした。2015年8月以来の最高水準だ。大信証券のイム・ヘユン研究員は「中国が人民元高を容認し、対中貿易赤字の縮小を前面に出したトランプ大統領に友好的な信号を送っている」と話した。米国との休戦のために中国が「人民元切り上げカード」を取り出せばウォン高も続くしかない。

南北首脳会談と米朝首脳会談の結果によってウォン高がさらに進む可能性もある。ハイ投資証券のパク・サンヒョン研究員は「会談の結果によってコリアディスカウントが解消すれば、国内金融市場にトリプル高(ウォン高、株価上昇、債券の価値上昇)が表れる可能性がある」と予想した。

外国通貨に比べて自国通貨の価値が上昇すれば、輸入品の価格が下がり、一般国民の財布は分厚くなる効果がある。一方、輸出企業は厳しくなる。外貨表示の商品価格が高くなり、競争力が落ちるからだ。このため経常赤字が発生する可能性が高い。

輸出企業はすでに危機感を抱いている。現代経済研究院のイ・ブヒョン北東アジア研究室長は「輸出企業はほとんどの価格競争力に依存するうえ、世界経済が急激な拡張傾向を見せない状況では、ウォン高は企業の実績悪化につながる」と話した。韓国貿易協会は国内輸出企業の損益分岐点平均為替レートを1ドル=1045ウォンと分析した。

◆プラザ合意

1985年に米国がドイツ・日本・英国・フランスと円高ドル安を誘導することに合意した。ニューヨークのプラザホテルで会議が開かれたためプラザ合意と呼ばれる。米国企業の商品の輸出競争力を高め、貿易赤字を改善する目的だった。その後、日本円は3年間に100%値上がりした。日本経済が「失われた20年」のような長期沈滞に入った背景だ。



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