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韓国唯一の日本式寺院、群山「東国寺」の観光がより便利に

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

全羅北道群山市の東国寺大雄殿。韓国で唯一の日本式寺院だ。(写真提供=群山市)

東国寺大雄殿に安置されている塑造釈迦如来三尊像。朝鮮時代の僧侶・應梅が1650年に木に粘土を盛り上げて作った。仏像とその中に入っている腹蔵遺物は2011年9月に宝物第1718号に指定された。(写真提供=群山市)

「私は日本式の塀を張り巡らせている東国寺の正門まで行った。広場は貞潔だった。本堂が雄壮だった。西の方に鐘閣があり、そこに大きな梵鐘が吊り下げられていた」

詩人・高銀の自伝小説『私、高銀』の中の一節だ。全羅北道群山市錦光洞(チョルラブクド・クンサンシ・クムグァンドン)にある東国寺は高銀が1951年に出家した寺院として広く知られている。

東国寺は国内唯一の日本式寺院だ。韓国の伝統寺院と違い、軒に装飾や丹青(色彩豊かに彩色すること)がない。建物の外壁に窓が多く、屋根の傾斜が急なのが特徴だ。日帝強占期に建てられた約500カ所余りの日本式寺院は、1945年解放以降、そのほとんどが撤去されたが、東国寺だけが毀損を免れて残った。このような東国寺に文化体験施設と駐車場が新しく設置されることになった。


群山市は20日、「東国寺付近に20億ウォン(約2億円)をかけて地上3階建て規模の駐車場および文化体験施設を作る」と明らかにした。延べ面積1500平方メートルの建物1・2階に50台を収容できる駐車場を作り、3階には東国寺の遺物などを展示する文化体験空間とアメニティ施設を開設するのが骨子だ。これまで観光客は東国寺付設の駐車場がなく、訪問に不便を伴っていた。群山市はことし10月に着工し、来年末の完成を目指している。

東国寺は日本の仏教宗団「曹洞宗」の僧侶、内田仏観が日本から建築資材を持ち込んで1913年に創建した寺だ。もともとの名前は錦江禅寺という。当時、錦江禅寺は布教が目的ではなく、韓国人を日本に同化させるために日本政府によって建てられた寺院だったという。解放後、国家に移管されて1970年に僧侶の南谷(ナムグク)が「海東大韓民国」の略語である「東国寺」に名称を変えた。

東国寺は大雄殿を含めた寺の建物と仏教用品、幀画など遺物や資料5000点余りを所蔵している。日本式法堂様式を備えている大雄殿は登録文化財第64号だ。法堂内には朝鮮時代の僧侶・應梅(ウンメ)が1650年に作った塑造釈迦如来三尊像(宝物第1718号)が安置されている。

東国寺は日帝強占期に建てられたということで、韓国の民族の辛い歴史をそのまま残している場所でもある。寺院の中には曹洞宗側が強制支配の歴史を反省して「懺悔と謝罪の文」を刻んだ懺謝碑がある。懺謝碑の横には「平和の少女像」が建てられている。2015年8月、韓国内で11体目、全羅北道では初めて設置された少女像だ。

東国寺は独特の寺院様式とその隠された物語で口コミが広まり、毎年数十万人が訪れる群山の代表観光地となった。文東信(ムン・ドンシン)群山市長は「文化体験施設と駐車場が新たに設置されれば、東国寺に訪れる観光客の駐車難が解消され、近代建築資産を土台にした群山地域の観光活性化にも寄与できるだろう」と述べた。



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