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対米黒字の縮小誘導への取り組み…目標は為替レート操作国指定防ぐこと=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「毎年発表していますが、今年ほど注目されたことはなかったと思います。」

韓国企画財政部のチン・スンホ対外経済政策局長は先月26日に発表された『2017年対外経済政策方向』について説明しながらこのように話した。これまで大きな関心を受けてこなかった政府の対外経済政策に注目が集まるのは韓国経済を巡る外部の不確実性がいつになく大きいためだ。

米国のドナルド・トランプ大統領就任以降、荒々しくまき起こる保護貿易主義の暴風が主な理由だ。トランプ政府は即座にドイツ・日本の為替レート政策を露骨に非難したが韓国も安心していられない。


為替レート操作国指定、韓米自由貿易協定(FTA)再協議の要求が現実化されるおそれがある。政府も対応策の用意に苦心している。まず、米国に対する経常収支黒字の縮小に取り組む。232億6000万ドル(昨年基準)に及ぶ韓国の対米経常収支黒字の規模が為替レート操作国指定の根拠になる可能性があるためだ。

為替レート操作国に指定されれば米国政府の調達市場進出制限のような通商制裁を受けることになる。その場合、韓国政府が推進中の海外インフラ受注の拡大に支障がでるのはもちろんのこと、苦労して回復した輸出に冷水を浴びせることになるかもしれない。

これに伴い、政府はシェールガスなど米国産原材料の輸入を増やすことにした。また、今後米国との交渉を通じて他の米国製品に対する輸入拡大の是非を検討する。

米国の韓国製品に対する輸入規制は鉄鋼・化学など主な産業の民官合同輸入規制協議会を構成して対応することにした。米国商務部は先月、プラスチック製造に主に使われる韓国産親環境可塑剤(DOTP)に反ダンピング予備関税を付加するなど貿易障壁を高めている。

韓米FTA再協議の要求の可能性にも備える。周亨煥(チュ・ヒョンファン)産業通商資源部長官は先月31日の記者懇談会で「米国の新政府の優先順位は北米自由貿易協定(NAFTA)と環太平洋経済連携協定(TPP)だが、トランプ大統領がすべてのFTAに対して総点検すると言い、これには韓米FTAも含まれる」とし、「最悪の状況に備える」と話した。

政府はウィルバー・ロス米国商務長官候補者の議会承認が終わり次第、両国間の通商長官会談を推進することにした。韓米FTAが相互利益という点を積極的に説明するという方針だ。

FTA全体においては両者交渉に焦点を合わせる。トランプ大統領当選以後、世界貿易協定の重心が諸国が参加する「メガFTA」から両者間FTAに傾いているからだ。米国の離脱で動力を失ったTPP参加12カ国のうちまだFTAを結んでいない日本・メキシコとのFTA締結を推進する。ただし日本の場合、「少女像問題」のような政治的葛藤のためすぐに交渉の場を設けることが難しい。これに対し現在の進行中の韓日中FTA交渉に注力する方針だ。また、欧州連合(EU)離脱を進行中の英国およびロシア主導のユーラシア経済連合(EAEU)とのFTA締結を通じて中国・米国に傾いた交易前線の多角化を模索する。

韓国経済研究院の権泰信(クォン・テシン)院長は「国内の政治問題で政策動力が弱まっている中でトランプ大統領の保護貿易政策が急速に現実化されつつあり、韓国としては危機的状況」とし、「韓米FTA再協議の要求などの様々な可能性に対して企画財政部・産業部など関連部署が緊密に協調して支障なく戦略を立てなければならない」と話した。



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