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韓経:【時論】韓米FTA再協議の準備を急ぐべき=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
いま米ワシントンではトランプ次期大統領の通商政策をめぐり意見が分かれている。楽観論と悲観論だ。候補時代に北米自由貿易協定(NAFTA)と韓米FTAに反対していたビル・クリントン大統領とバラク・オバマ大統領がホワイトハウスに入ってから積極的な支持に変わったように、結局はトランプ氏も考えが変わるという慎重な楽観論だ。

しかしトランプ氏の遊説を見守ってきたワシントン専門家の見方は違う。トランプ氏は「確信犯的保護貿易主義者」ということだ。NAFTAや自由貿易が雇用を奪い、貿易赤字を悪化させ、米国人にプラスにならないと強く信じているということだ。「悪いNAFTAを再協議し、カナダとメキシコが言うことを聞かなければ脱退する」「まぬけなワシントンの方たちが作った環太平洋経済連携協定(TPP)はごみ箱に捨ててしまう」「為替操作で莫大な黒字を出している中国の輸出品に45%の関税をかけてこらしめる」。トランプ氏のこうした激しい発言は「アングリーホワイトアメリカン」の投票者の心をつかみ、伝統的に民主党の票田だった米中北部の「ラストベルト」を引き込んで勝機を握った。幸い、主に中国、メキシコが俎上に載せられたが、米国とFTAを締結して対米黒字を出している韓国も無風地帯ではない。

「大統領トランプ」の通商政策は任期初めの2年と後半部に分けて見る必要がある。トランプ氏がホワイトハウスに入った後、通商政策の最優先課題は「アングリーホワイトアメリカン」を納得させることだ。そのためには過去20年間のNAFTAやTPPのような地域主義を捨て、1980年代のレーガンスタイルの2国間中心通商政策に回帰するだろう。すでにオバマ政権と議会はTPPをレームダック期間に処理しないことにした。軽く最初の勝利を手にしたということだ。NAFTAも揺れている。カナダのトルドー首相は1987年に結んだ米・カナダFTAに言及しながら後退し、メキシコも再協議の意思があると低姿勢を見せている。次の順序は市場開放のために激しく攻撃的な2国間通商の刀を抜くことだ。相手は莫大な貿易黒字を享受している「憎い」中国、そして日本、韓国だ。過去に米国が振りかざした301条のような通商報復の刀をまた抜くかもしれない。


しかしこのような政策では中国との貿易戦争ばかり誘発し、奪われた米国人の雇用を取り戻すことはできないということを2、3年が過ぎた後にトランプ氏が自ら悟ることになるだろう。すると執権後半期の米国の通商政策はまた本来の位置に戻ると期待される。

韓国の問題は今後近づく通商の荒波をどう乗り越えるかだ。まずは、政府の通商システムを今までの多者、地域主義から対米2国間通商中心体制に速やかに転換することだ。韓米FTAの再協議の要求に備えなければいけない。

2つ目は、ワシントンの「トランプ氏の人物」とネットワークを構築することだ。昨日発表されたトランプ氏側の人事チームにはブッシュ時代の人物とKストリートのロビイストが布陣している。速やかにこの人たちとパイプがある親トランプロビイストおよび共和党系の人たちと関係を築くことが求められる。また、今後トランプ政権のシンクタンクの役割をする保守系のヘリテージ財団とも積極的に交流しなければいけない。最後に政府と企業が手を握って大規模な購買および投資使節団を米国に派遣する必要がある。すでに安倍首相は米国を訪問することを決めている。

英国の欧州連合(EU)離脱やトランプ旋風を通じて見られるように、当分は地域主義を土台に自由貿易が後退し、新保護主義性向の通商圧力が強まると予想されるため、みんなが力を合わせて新しい通商環境に対応していかなければいけない。

アン・セヨン西江大国際大学院経済学教授



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