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【社説】MERS過敏反応が経済ショックを拡大している=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
煙だけが見えている状況で、みんな「火事だ!」と大騒ぎし、一斉に狭い出口に向かう姿だ。中東呼吸器症候群(MERS)に対する過敏反応がそうだ。経済に及ぼす衝撃が大きいのは、我々が自ら恐怖の雰囲気を作った結果にほかならない。消費の委縮が深刻だ。今月7日までの統計を見ると、前年同期比でデパートの売り上げは17%、映画観覧客は55%も減った。プロ野球の観客(-39%)、遊園地の入場者(-60%)、博物館の観覧客(-82%)も大きく減少した。セウォル号事故当時よりはるかに多い。

警戒心や体系的な対応要求レベルを越え、興奮心理を刺激し、恐怖感を作ろうという試みまで横行するのが、我々の社会の素顔だ。自虐的に自ら内需を破壊するこうした「恐ろしい国」に中国の観光客は来ないだろう。今月だけでも韓国旅行をキャンセルした中国人観光客は10万人にのぼるという見方も出ている。そうでなくても日本に観光客を奪われているところに、MERS事態が油を注ぐ格好だ。

ソウル、城南(ソンナム)など一部の首都圏市長・教育監の恐怖をあおる無責任な政治ショーもそうだ。全国で休校は2431校にのぼる。伝染を防ぐためだが、学校の外の生徒は密閉されたネットカフェやカラオケに集まっている。衛生教育を強化し、外出しないよう指導するべき学校の責務は放棄したまま、むしろ危険地帯に向かわせている。学校内で病気が発生しなければ問題はないという無責任な姿だ。訪韓した世界保健機関(WHO)専門家も授業の再開を強く勧告している。MERSは学校とは関係がないというWHO専門家の科学的接近に接し、恥ずかしさを感じる。


5月の就業者が37万9000人に増え、5カ月ぶりに雇用市場が好転した時に、作為的な「MERSフォビア」が足かせになっている。常に政略的な計算からする中央と地方自治団体の政治家、大げさに騒ぐメディアが率先して作った非理性的恐怖だ。このように根拠のない興奮と恐怖で内需を殺してしまえば、年1.50%に引き下げられた過去最低の政策金利も財政拡張政策もすべて効果がない。昨日は経済5団体長も「国民の懸念が深まり、これによって消費・投資心理委縮など実物経済に否定的な影響が表れる」とし、正常な経済活動の維持を訴えた。平常心を取り戻して日常の業務にまい進する必要がある。学校から直ちに門を開けよう。



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