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【社説】朴大統領が「MERSとの戦争」指揮を

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中東呼吸器症候群(MERS)が手の施しようがないほど拡散している。5日にも5人の新規感染者が発生し、計41人に増えた。空軍元士の感染が確認され、平沢(ピョンテク)聖母病院で3次感染者が2人発生した。ソウルの大型病院の応急室で3次感染者も出てきた。最初の患者と同じ病室を使った70歳代の患者が死亡した。連日、良くない状況が続き、国民の不安指数が限界点に上がっている。ソウルの地下鉄ではマスクをしている人が大きく増えた。

こうした状況にもかかわらず、MERS戦争に責任がある青瓦台(チョンワデ、大統領府)・セヌリ党・保健福祉部が5日、朴元淳(パク・ウォンスン)市長の「MERS関連の市民向け発表」を一斉に非難した。朴市長が前日の深夜、ソウル大型病院の医師がMERS症状が表れた状態で患者を診療し、再建築組合総会に出席したことを公開したが、これを問題視したのだ。青瓦台とセヌリ党は「MERSとの戦争」で何をしたからといって朴市長を非難するのか分からない。特に失敗を繰り返した福祉部には朴市長を非難する資格はない。

朴市長の深夜発表に問題がなかったわけではない。中央政府と十分に相談するべきだった。福祉部が資料提供に協力しないという理由で夜中に1565人の隔離方針を発表するのは混乱を招く。しかし朴市長の「MERSとの戦争」宣言は評価できる。総会出席者1565人に自宅診断を任せようとする福祉部の消極的な方針とは違い、地方自治体が立ち上がって積極的に管理するということであり、我々は正しいと考える。


感染の可能性が低いといっても、やり過ぎだと思うほど果敢な方式で芽を摘み取ってこそ、拡散を防ぐことができるからだ。不動の南景弼(ナム・ギョンピル)京畿道(キョンギド)知事、権善宅(クォン・ソンテク)大田(テジョン)市長とは対照的だ。京畿道はMERSの震源地であり、大田では6人の患者(すべて3次感染)が発生した。安熙正(アン・ヒジョン)忠南知事をはじめ、他の地方自治体の首長も独自にMERS退治に乗り出した。安知事はMERS患者が発生したソウル・京畿・忠南(チュンナム)連合協議体の構成を提案した。もう中央政府だけの力ではMERSを克服することはできない。現場の事情をよく把握している地方政府も積極的に取り組む必要がある。地方政府のこうした動きを非難するべきではない。

こういう事態が発生するのは、中央政府が消極的な対応で信頼を与えていないからだ。1次的な責任は朴槿恵(パク・クネ)大統領にある。朴大統領は5日、「もし地方自治体や関連機関が独自に解決しようとすれば、混乱を招くだけでなく、効果的に対応するうえでも役立たない」と述べた。朴大統領の認識が残念だ。我々は朴大統領が中心になって官・民・軍・警合同対策本部を設置するべきだと強調してきた。広域団体の首長、全部処の長官、軍・警察、医師協会・病院協会長、ウイルス・免疫学・疫学・政策広報など民間専門家を集めて対策本部を設置し、24時間現況を点検し、督励しなければいけない。

役割を果たせなければ厳しく責任を問うべきだ。官民対応TFと文亨杓(ムン・ヒョンピョ)福祉部長官に任せているが、この体制では国民の不安は消えない。特に文長官は初動対応の失敗のため、何を話しても国民の信頼を得にくい。「MERSとの戦争」で与・野党、中央・地方政府は関係ない。

政府は平沢聖母病院で3次感染が発生すると、ようやく実名を公開し、住民の協力を要請した。先月27日(発表は28日)、最初の患者と同じ病室ではなく同じ病棟にいた患者が感染した時にすぐにそうするべきだった。もしそうしていればこれほどの状況にはならなかっただろう。感染者が行った医療機関は14カ所ある。すべて公開すれば副作用が大きいかもしれない。しかし一定規模以上の感染者が発生したところは公開するのが正しい。そうしてこそ、その医療機関に行った人が自ら診断を受けることができる。そうでなければ管理網から抜けたまま他の人に移す可能性を排除できない。

リスト(隔離対象者リスト含む)公開が負担になるなら、健康保険審査評価院医薬品安全サービス(DUR)に載せるべきだ。そうすれば医師がリアルタイムで危険患者を確認できる。政府は情報を隠しながら不信感を自ら招いてきた。今からでも透明に情報を公開してこそ、国民の信頼を得られるだろう。



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