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【社説】この情けない衛生レベルではMERSは防げない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中東呼吸器症候群(MERS)がこれほど広がるのは、韓国社会の衛生レベルがまだ低いという証拠だ。特に病院の衛生を画期的に改善するべきだという声が高まっている。最初の患者が入院した病院だけでも約20人の2次感染者が発生した。もし医師が最初の患者に中東を訪問したかどうか確認し、保護服と医療用マスクをして診療していれば、MERSはここまで広がらなかったはずだ。しかし予防規則の遵守は崩れ、病院の衛生レベルは劣悪だった。

世界保健機関(WHO)は「韓国でMERSに対する適切な感染予防と統制措置が取られる前に、中東で知られたすべての類型の院内MERS感染が発生した」と明らかにした。続いて「院内感染を防ぐための適切な対応措置が必要だ」と指摘した。MERSが最初に発病したサウジアラビアも院内感染の管理を強化し、患者の数が大幅に減った。結局、MERSを防ぐには病院内の衛生と感染管理を徹底するのが最善ということだ。

韓国の脆弱な病院感染管理は慢性的な問題だ。どの抗生剤も効かないスーパーバクテリア感染件数が急増しているが、病院の衛生は情けない水準だ。韓国の病院は1人部屋より5、6人部屋が中心だ。一つの病室に患者、患者の家族、看病人など10人ほどいる。伝染病患者が入院しても隔離するインフラが不足している。医師もガウンだけを着て病院の内外を歩き回る。このような衛生レベルを放置すれば、病院は病気の治療どころか、むしろ病気を広めるところになる。


個人も徹底的な衛生管理を身につけなければいけない。呼吸器疾患があれば人との接触をできるだけ避け、外出する時は必ずマスクをしなければいけない。公共場所でせきをする時は袖やハンカチで口と鼻を覆わなければいけない。外出やトイレの後は抗菌剤や石けんで手を洗うのが基本だ。これは自分はもちろん他人のことを考える最小限の市民意識だ。韓国社会の衛生レベルを画期的に高めなければ、MERSより恐ろしい事態を招くこともあるかもしれない。



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