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報道官室のドアをロックした福祉部…不信育てる「MERS不通」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
先月、中東呼吸器症候群(MERS)の最初の患者(68)が出た直後から疾病管理本部は「疫学調査を進行中」という釈明を繰り返していた。該当患者がどのような経路で京畿道(キョンギド)のB病院に入院したのか、病院内で歩いて回っていたのか、でなければベッドに横になっていたのかなどについての情報を知らせなかった。このため、この患者の正確な動向はいまだに五里霧中の状態だ。B病院では20人以上の2次感染者が確認された。

政府がセキュリティーを理由に情報をまともに公開しない問題は、1日に最初の死亡者(57)が出てきた後も繰り返された。この患者はB病院に入院したことがあると疑われる患者で、京畿道(キョンギド)の別の病院に転院して治療を受けて亡くなった。取材陣が事実確認を要請したが、福祉部では“確認できる事案ではない”と回避して後になって感染の疑われる患者だと公開した。それと共に病院側が明らかにした死亡時間と2時間も違う誤った情報を発表した。最初の死亡者の結果と3次感染者の発生を公開する前には、福祉部報道官室のドアを閉めて記者たちの出入りを最初から遮断してしまった。

政府が患者発生病院の名前や所在地を公開しないのも一方的な決定だという批判を受けている。「公開すれば不必要な誤解と混乱を起こす恐れがある」という立場を守ってソーシャルネットワークサービス(SNS)などで飛び交う病院リストについて強力に対応するという言葉だけを繰り返した。大学院生のイ・ジファン氏〔28、ソウル松坡区(ソンパグ)〕は「趣旨をしっかり説明すれば国民は理解して納得することもできるはずなのに、無条件にダメだというふうに話せば不信感が一層高まる」と話した。イ・イルハク延世(ヨンセ)大学医療法倫理学科教授は「情報公開の可能範囲についての幅広い意見を取りまとめることなく政府が一方通行で決めれば、国民がこれに従うのは難しい」と話した。


政府の“不通ぶり”は国際的にも議論になっている。世界保健機関(WHO)のMERS担当者は、科学ジャーナル『サイエンス』オンライン版とのインタビューで「韓国のMERS“スーパー拡散”に対する最も簡単な説明は、病院での感染統制がしっかり行われていなかったということ」としながら「私たちは韓国で(患者発生後)最初の3日間にどんなことが起きたのか本当に分からない」と話した。国内で10人目の患者(44)が通過して防疫が非常事態となった香港の衛生防護センターは韓国政府にMERS患者資料を何度も要請したが回答をもらえなかったと1日明らかにした。

キム・ヨンテク疾病管理本部感染病管理課長は「香港政府から(要請が)来たのは事実だが、その情報が防疫や感染力の防止にとって特別な意味はなかった。韓国政府は防疫目的以外には(情報を)提供しない」と話した。

こうした中で香港は、韓国と医療部門に限って一時的な交流中断を推進している。高永文・香港食品衛生局長は2日「(香港の)医療界はソウル地域との医学関連交流を暫定的に中断することを要求する」と明らかにした。こうした発言は香港のある30代の医師が先月末、韓国のある病院の学術大会に参加して帰国後、呼吸器症状を見せた直後に出てきた。この医師に対するMERS感染検査の結果はまだ出ていない。高局長はさらに「韓国のMERS発症状況が悪化しており(香港市民に)韓国に行っても医療施設を訪問しないよう勧告する」と明らかにした。



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