最近、年末調整の波紋を契機に韓国の政治の「哲学的貧困」が底まで露呈した。問題の発端である「増税のない福祉拡大」という現政権の原則からしてお話にならない。税金を増やさずに福祉を増やすために借金祭りをしたり、東海(トンへ、日本名・日本海)近海に油田でも掘り当てたりしなければならないような状況だ。ところが朴槿恵(パク・クネ)大統領は誰かに何か報告でも受けたのか「増税ない福祉拡大」が可能だと堅く信じたようだ。そのために政府が増税という言葉はとても言い出せずに租税の衡平性の強化(所得控除→税額控除への転換)や、国民の健康増進(タバコの値段引き上げ)とかいうきまり悪い名分で税収拡大に出たのは見るも憐れだ。
与野党も2013年末に税額控除に切り替える税法改正案を合意で通過させた時、これが事実上の増税ということが分からなかったはずがない。むしろ当時の民主党は所得税の最高税率課税表区間を3億ウォンから1億5000万ウォンに下げようと粘り強く要求し、ついに貫き通した。与野党の関心は増税の幅であって増税という前提自体には何の異議もなかった。
その与野党が今回、年末調整の波紋が生じると「いや、あれは増税だったのか」としてわざとらしく騒いでいる。セヌリ党は厚かましい。保守政党なら当初から選別的な福祉路線を追求すべきだったのに2012年にはどうにか票を得ようと似合わない福祉政策で美しく飾ったのがわざわいの素だ。そうしておいて今になって財政問題が生じると他人事のように「こうなると思った」と言って素早く無償福祉廃棄を主張してきた。
新政治民主連合は卑怯だ。税額控除は高所得層に不利で低所得層に有利な方式だ。野党が口さえ開けば主張する「金持ち増税」の一種だ。今回の年末調整の改編で直撃を受けた階層は主に年所得5500万ウォン(約591万8000円)以上だ。昨年の国税庁統計によれば年末調整の資料を出した勤労所得者1635万人の中で年間所得5000万ウォン以上は上位18%だ。4000万ウォン以上に下げても上位25%だ。税金が大きく膨らんだ人々はサラリーマンの中で所得上位圏ということだ。新政治連合が本当に進歩政党ならばむやみに政府ばかり攻撃するではなく「福祉拡大のために所得上位圏の一部税負担の増加は避けられない」という声も上げるべきだ。
セヌリ党が不満をなだめるために発表した年末調整の遡及適用方針は無原則の決定版だ。今後、租税抵抗が起こるたびに税金を割り引くというのか。保守政党が法の原則を破ったのも情けないことなのに庶民のためだという野党もそれに相槌を打っている。耐えられない政治の軽さだ。
キム・ジョンハ政治国際部門次長
与野党も2013年末に税額控除に切り替える税法改正案を合意で通過させた時、これが事実上の増税ということが分からなかったはずがない。むしろ当時の民主党は所得税の最高税率課税表区間を3億ウォンから1億5000万ウォンに下げようと粘り強く要求し、ついに貫き通した。与野党の関心は増税の幅であって増税という前提自体には何の異議もなかった。
その与野党が今回、年末調整の波紋が生じると「いや、あれは増税だったのか」としてわざとらしく騒いでいる。セヌリ党は厚かましい。保守政党なら当初から選別的な福祉路線を追求すべきだったのに2012年にはどうにか票を得ようと似合わない福祉政策で美しく飾ったのがわざわいの素だ。そうしておいて今になって財政問題が生じると他人事のように「こうなると思った」と言って素早く無償福祉廃棄を主張してきた。
新政治民主連合は卑怯だ。税額控除は高所得層に不利で低所得層に有利な方式だ。野党が口さえ開けば主張する「金持ち増税」の一種だ。今回の年末調整の改編で直撃を受けた階層は主に年所得5500万ウォン(約591万8000円)以上だ。昨年の国税庁統計によれば年末調整の資料を出した勤労所得者1635万人の中で年間所得5000万ウォン以上は上位18%だ。4000万ウォン以上に下げても上位25%だ。税金が大きく膨らんだ人々はサラリーマンの中で所得上位圏ということだ。新政治連合が本当に進歩政党ならばむやみに政府ばかり攻撃するではなく「福祉拡大のために所得上位圏の一部税負担の増加は避けられない」という声も上げるべきだ。
セヌリ党が不満をなだめるために発表した年末調整の遡及適用方針は無原則の決定版だ。今後、租税抵抗が起こるたびに税金を割り引くというのか。保守政党が法の原則を破ったのも情けないことなのに庶民のためだという野党もそれに相槌を打っている。耐えられない政治の軽さだ。
キム・ジョンハ政治国際部門次長
この記事を読んで…